圧力


圧力


 円錐形の物体をてのひらに乗せるとき、円の部分を下に向けるか、尖っている部分を下に向けるかによって、力のはたらきが異なる。このような、力が接触面に与える影響のことを「圧力」と呼ぼう。ただし、物体の重さは同じだから、てのひらが受けている力の大きさは同じはずである。これらの違いは、接触面積だ。

 

 圧力は、接触面積が小さいほど大きい。また、面にはたらく力が大きいほど大きい。このことを考えると、圧力には次のような関係がありそうだ。

 力をN,接触面積をm2で表したとき、圧力はN/m2(ニュートン毎平方メートル)、またはPa(パスカル)という単位で表される。例えば、1Nの力が面積0.01m2の接触面にはたらいているとき、圧力は

となる。

 

大気圧


 また、圧力の単位にはhPa(ヘクトパスカル)も使われる。hは100倍という意味で、

          1hPa=100Pa

である。hPaは天気予報でよく耳にする。天気予報でいう圧力とは、空気の圧力、「大気圧」である。大気圧は頭上の空気の重さが面にはたらいているものなので、山頂など、高い場所ほど小さくなる。また、地上における大気圧の大きさを1気圧とする場合もある。今では、1気圧=約1013hPaと決められている。

 

水圧


 水による圧力を「水圧」という。水圧は頭上の水の重さが面にはたらいているもので、水面から深くなるほど大きくなる。10m深くなると約1気圧ずつ大きくなっていくので、100mの深さでは水圧は約10気圧である。

 

 水圧は下向きだけでなく、横向きや、上向きにもはたらく。同じ深さであれば、どの向きの水圧も大きさは等しい。

 

 ただし、大きさをもつ物体であれば、上面が下向きに受ける水圧の大きさよりも、下面が上向きに受ける水圧の方が大きいため、物体には鉛直上向きの「浮力」がはたらく。このとき、物体が受ける横向きの水圧は、逆向きの水圧と効果を打ち消し合っているため、浮力の向きには影響しない。

 

 物体にはたらく重力が浮力よりも大きいとき、物体は水中で沈む。浮力の方が大きいと、物体は浮く。

 

 浮力の大きさは、次のように測定することができる。空気中で物体の重さをばねがかりで測り、そのあと水中に物体を沈めて同じように測定をするのだ。仮に、空気中でのばねばかりの目盛りが2.0N,水中での値が1.7Nだったとすると、浮力の大きさは、

                     浮力=2.0-1.7=0.3N

だと分かる。

 

 このようにしていろいろな物体にはたらく浮力の大きさを測定すると、大きな物体ほど大きな浮力がはたらいていることが分かる。

 

 また、浮力の大きさは、浅くても深くても同じである。ただし、水面から物体の一部が出ると、浮力は小さくなる。このことから、浮力の大きさは、水中にある物体の大きさによることが分かる。

 

 実は、物体にはたらく浮力の大きさは、水中部分の物体と同じ大きさの水の重さと等しくなっている。このきまりを「アルキメデスの原理」という。