電流と電圧


電流と電圧


 電池は電圧を作り出す装置である。最近では目にする機会が減ってきたが、乾電池の多くは1.5V(ボルト)の電圧を作り出すことができる。四角形の9V乾電池は見たことがあるかな?

 

 豆電球を電池につなぐと、豆電球は光る。導線でぐるりと一周しているので、これを「電気回路」という。このとき、電池の+極から―極に向かって導線中を「電流が流れた」と表現する。すると電圧は、「電流を流す能力の強さ」と考えることができる。電流の大きさは、0.1A(アンペア)のように表す。

 電流を測定するには「電流計」を、電圧を測定するには「電圧計」を使う。電流は回路の1点で流れる量を考えることができるから、測定したい位置に電流計を直列につなぐ。電圧は1点では考えられず、2点間で考えなくてはならないので、測定したい部分に電圧計を並列につなぐ。電池や電球などをまたぐようにつなぐことで、それらの電圧が測定できる。

 

 電流計には4つの端子がある。そのうち1つは+端子で、電池の+極側の導線を接続する。そのほかの3つは-端子で、それぞれ5A, 500mA, 50mAと表記されている。これは、計測することができる電流の最大値を表している。それ以上の電流が流れると壊れていしまう可能性があるので注意。測定したい電流が分からない場合は、電池の-極側の導線をまず5Aの端子に接続し、500mAよりも値が小さければ500mAの端子に、50mAよりも値が小さければ50mAの端子に接続するようにすること。

 

 電圧計にも4つの端子がある。1つの+端子と、3つの-端子である。-端子は3V,15V,300Vと表示されており、計測できる最大値を表している。測定したい電圧の値が分からない場合は、まず300Vの端子に接続して、小さすぎれば徐々に小さな表示の端子に接続し直していくようにしよう。

 

回路図


 電池や電球などを実物と同じようなイラストで表した図を「実体配線図」という。それに対して、上に表したように「電気図用記号」を利用して表したものを「回路図」という。電池の記号は、線が長い方が+極、短い方が-極だ。間違えないようにしよう。

 

 1つの道筋に沿って、電球を2つつないだ回路を「直列回路」と呼ぶ。直列回路では、電流の通り道が一本しかないので、どこも同じ大きさの電流が流れている。

 また、電球を1つ取り外すと回路が途中で途切れてしまう。そうすると電流が流れなくなり、もう1つの電球も光らなくなる。

 電圧の関係は、2つの電球それぞれの電圧の和が、電池の電圧と等しくなっている。

電圧①+電圧②=電圧③

 

 電池につないだ導線を2手に分け、それぞれに電球をつないだ回路を「並列回路」と呼ぶ。並列回路では電球を1つ取り外したとしても、もう一方の電球が電池とつながっているため、こちらの電球を電流が流れることができ、その電球は消えない。

 電流の関係は、電球を流れる電流の和が、電池を流れる電流と等しくなっている。

電流①+電流②=電流③

合流点または枝分かれ点に注目するとイメージしやすいはずだ。

 電池や電球に加わっている電圧はどれも等しくなっている。