物理ってなぁに?


 ここでは、まず物理ではどのようなことを学ぶのかと、どのように学んでいけばいいのかを紹介していこう。

 

高校物理で学ぶこと


 中学校で学んだ「理科」という教科が、高校では大きく4つに分かれる。その中のひとつが「物理」だ。そして、高校物理では主に5つの分野を学習する。それぞれの特徴を挙げてみよう。

 

① 力学

 物理の基礎となる分野でとっても大切! ここでは力のはたらきや運動の表し方、エネルギーの基本について学ぶ。

② 熱力学

 熱と温度の関係から、気体の性質までを学ぶ。ここでもエネルギーが登場する。化学と重なる内容も多い。

③ 波動

 波の基本的な性質と、音や光の性質について学ぶ。出てくる数式は少ないものの、現象がイメージしにくい。

④ 電磁気学

 静電気からスタートして、電流や磁石の性質について学ぶ。電磁誘導も登場する。数式がたくさん出てくる。

⑤ 原子

 原子の構造や性質について学ぶ。ここまでの内容がどんどん出てくる。

 

勉強の方法


 中学の理科でも圧力や電流などを、数式を使って値を求めるという経験はしていると思う。これが得意だった人もいれば苦手だった人もいると思うけれど、高校ではそのウェイトがかなり大きくなると思っていい。でも、それは仕方がないことなのだ。だって、物理というのは、世の中の自然現象を数式によってより深く理解しようとして発展してきたのだから。

 

 ちなみに、このような方法で自然現象を理解しようとした始まりの人は、ガリレオ・ガリレイだと言われている。彼の功績のひとつに「落下の法則の発見」というものがある。これは、落下する物体の速さや距離が、時間によってどのように変化するかを表したものだ。彼は実験結果を数式で表すことで、この自然現象をより深く理解することに成功したのだ。

 

 

 ただし、いくら数式が大切だとは言っても、物理の目的は自然現象を理解すること。高校物理を習い始めたときに陥りやすい失敗が、「公式をたくさん覚えたけど、どうしていいか分からない」、「演習をたくさんしたけどなぜか点が取れない」というパターン。すると、「覚えることが多すぎて物理は分からない!嫌い!」と感じるようになってしまう。

 この解決方法は、「自然現象の理解」に努めること。もう一度言う。物理は、自然現象を理解するのが目的だ。だから、ときどき演習から離れて、図的なイメージなど、現象理解を意識して復習をすることが大切だ。この作業を繰り返すうちに、バラバラに見えていた公式や現象が、一本の糸でつながれていく。こうなったら、複数の分野にまたがった発展的な問題も解けるようになる。

 

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 動画の投稿やホームページを始めたのは、高校物理で苦労する生徒を減らしたい、そして理学部・物理科へ進学する生徒を増やしたいという思いからだった。もし、動画やホームページを見て物理に興味を持ち、物理科を目指してくれるのなら、作者としてこんなにうれしいことはない。ぜひ、大学でも物理を楽しんで欲しい。