ラプラシアン


 勾配の発散を「ラプラシアン」という。今後、シュレーディンガー方程式を3次元空間で解く場合に必要になるので、ここで準備をしておこう。

 

ラプラシアン


ある関数uの、x,y,z方向の偏微分3成分を考えて、

これを「勾配」という。あるベクトルAと∇の内積を考えて、

これを「発散」という。勾配はベクトルなので、「勾配の発散」を考えることができ、

これを「ラプラシアン」という。これを極座標(r,θ,φ)で表すのが今回の目標だ。ラプラシアンは

であるから、まずは1階微分を極座標で表し、それらをもう1回微分して足し合わせるという手順で考えよう。

 

1階微分の極座標表示


図のように、r,θ,φを用いた座標を極座標という。

また、次のような関係を作ることもできる。

これらより、r,θ,φの、x,y,zによる偏微分をそれぞれ求める。

以上を用いることで、ある関数uのx,y,zによる偏微分を極座標で表すことができる。

2階微分の極座標表示


上で求めた1階微分を、さらに微分して、x,y,zによる2階微分を考える。すると、

となるので、次は、x,y,zによる1階部分を、rやθやφで微分したものを求めなければならない。

これらを使って、x,y,zによる2階微分をそれぞれ極座標で表すと、

以上の和により、ラプラシアンが得られる。